2012年12月31日月曜日

新たな母子家庭生活支援モデル事業

 沖縄県では、従来より母子生活支援施設において、母子世帯の自立に向けた支援を行ってきましたが、2012年7月からは新たな取り組みとして「県母子家庭生活支援モデル事業」を行っています。その概要が2012年11月27日の琉球新報社の紙面で紹介されていました。
 このモデル事業は、母子世帯に対し、住まいを確保することにより、自立を支援する事業です。民間アパートを借り上げ、原則1年間の限度に母子世帯に無料で貸し出すほか、「沖縄県マザーズスクエアゆいはぁと」が母親の就労や子どもの学習の支援を行います。

支援の対象となる方は
1 県内に住所を有する母子家庭(事実婚を除く)
2 18歳未満の児童を養育していること
3 児童扶養手当を受給していること
4 本事業の支援期間内に自立に向けた具体的な目標、及び意欲のある方。

支援の内容
1 「沖縄県マザーズスクエアゆいはぁと」のある与那原町や周辺地域においてアパート等の支援居室を提供します。
2 その際、敷金、礼金や月々の家賃等の費用負担はありません。
3 ただし、毎月の生活費(食費、光熱水費、駐車代など)や対処時の現状回復に要する費用は自己負担となります。

申請方法
「沖縄県マザーズスクエアゆいはぁと」で相談の上、以下の書類を提出します。
1 支援申込書
2 住民票の写し
3 戸籍謄本
4 児童扶養手当証書の写し

現在、県が県母子寡婦福祉連合会に事業を委託し、与那原町内で12世帯が支援を受けています。支援の拠点となる「県マザーズスクエアゆいはあと」では利用者の相談を受けるために7人の職員を配置し、母親の就労、子どもの学習や生活面を支援しています。特に小中学生を対象に週に3~4回開いている学習支援は、好評だそうです。
 モデル事業は一括交付金を利用した事業で、当面5年間をめどに実施されます。6年目以降は母子世帯のニーズを把握した上で、どのように展開するか検討されます。

問い合わせは県マザーズスクエアゆいはあと(電話:098-943-7775、住所:与那原町東浜95-7 バディーハウス102 )まで

2012年12月22日土曜日

おきなわ子ども支援ガイドブック小中学校へ

 おきなわ子ども支援ガイドブックの小中学校向けの配布は、九州・沖縄地区子ども支援ネットワーク交流学習会実行委員の加藤彰彦沖縄大学学長が教育庁を訪問し、ガイドブックの県教育庁への贈呈と周知の依頼を行い、面談した浜口教育指導統括監がガイドブックの周知について両者が協働して取り組むことに同意したことから始まりました。
 それにより、県教育庁義務教育課が各学校への周知の文書を作成し、県内6つの教育事務所から各市町村教育委員会を経由して小中学校へ配布される道筋ができました。
 これを受けて、実行委員会では、昨日から今日にかけて、ガイドブック2200冊を国頭、中頭、那覇、島尻、宮古、八重山の各教育事務所に郵送、配達しました。

 当初の9月~10月に各小中学校に届けるという期限は達成できませんでしたが、県教育委員会と協働して、県内全ての小中学校に届けることができました。

 このガイドブックが、困難な状況の子ども達の支援にどれだけ結びついていくかは、今後、現場の先生達の手に委ねられることになります。
同時に、その結果や課題を共有し、さらなる支援の拡がりにつなげていくのが、ガイドブック作成と配布後の私たちの宿題だと思います。

2012年12月11日火曜日

おきなわ子ども支援ガイドブックが高校と特別支援学校へ

 先週から今週にかけ、各県立学校におきなわ子ども支援ガイドブックが届きました。
これは、九州・沖縄子ども支援ネットワーク交流学習会実行委員会が、沖縄県教育委員会に贈呈したガイドブックが県立学校教育課を通じて、県立高校および特別支援学校76校を対象に380冊が郵送されたものです。

小中学校へも、義務教育課を通じて配布する準備をすすめているところです。準備が整い次第、各教育事務所から市町村教育委員会を経て小中学校へ届く予定です。

また、実行委員会では、那覇市子どもみらい部および那覇市教育委員会と協働し、ガイドブックの那覇市版を制作中です。



2012年11月27日火曜日

第6回九州・沖縄地区子ども支援ネットワーク交流学習会

まとめ「課題の整理と取り組みの方向性について」
沖縄大学  学長 加藤彰彦さん




子ども支援ネットワーク交流学習会というこの集会の名前は、全ての意味が込められていると思います。これが成立してから6回目になりますが、この間沖縄は沖縄で、さまざまな活動をしてきました。九州では、同和教育の中で生活を保障するという支えあいをしっかり行ってきた長い歴史があります。沖縄には潜在的に「ちむぐりさー」という、苦しい立場の人をほっておけない、やむにやまれず手助けする精神があり自然発生的に「ゆいまーる」というしくみでお互い支えあってきました。どちらもいいところを持っていて、それを連動できればいいと思っていました。沖縄は戦後の占領時代に、沖縄のいいものがどんどん失われて、さらに復帰後、日本国憲法のなかの9条、25条が適用されない、むしろ無視されてきた、沖縄中がオスプレイはいらないと訴えているのにも関わらずそれを全く聞かない。それを覆い隠すようにしてオスプレイを配備するという凄まじい状況になっています。ほんとにこれでいいのか、私たちは、社会を変えていく方向に一歩踏み出さないといけないかもしれません。
今回のこの集会では、沖縄のアンデンティティーをどう作り上げていくかということを考えてみたいと思っています。九州の方たちが最も苦しい人たちに寄り添い支えるなかで自らも開放してきた歴史のなかで、苦しい人たちに寄り添いながら社会を変えてきました。今までは、私たちは、まともに問題に向き合ってきましたが今回、川畑さんにお願いしたのは、僕ら、もう一回広い意味での自分たちの生き方とか、暮らし方とか、見直してみたい。私たちは一生懸命やっているつもりですが、そのまま足をすくわれてはいないかということも含めてもう一度見直してみたいという思いがありました。今日伺った川畑さんのお話の受け止め方はいろいろあると思いますが、一番根っこにあるのが、一人だけで幸せになろうとか、幸福になろうということはできないだろう、一番自分たちに身近な人が幸せになることをとおして自分たちも幸せになる。こういうことの積み重ねが、一つの時代を作り、社会を作ることに繋がる、僕はそういう受け止め方をしました。それぞれの家庭や地域や職場に議論を下ろさないといけないといくことを、今回の学習会で確認されているように思います。世界平和のためとか日本のためとかということは大事なんだけれど、自分たちの暮らしの中にしっかりと地に足をつけて、その状況を少しずつ変えていきたいと思っています。

沖縄を子どもにとっていい社会を作っていこうとするとき、自分に最も近い存在である子どもたち、子どもという存在を軸に時代を変えていこうと、この子どもたちは次の時代に向けて成長していく、次の時代へのつなぎになっていく、その子どもたちに関わるということは、20年、30年先まで含めた時代の変革を見通すことでもあります。沖縄のアイデンティティーを考えるということは、子どもたちの問題に真剣に関わることで時代を変えていこうということだと思います。

1分科会では、沖縄市が子どもの街宣言をし、それを実際にやるためには子どもの現実を知らなければならないということで、実態調査をした。小学校4年生、中学2年生全員、約3500人を対象にアンケート調査を行いました。このこと自体は、今までにないことです。そして子どもたちが生の声を出してくれるような質問を出した。そのなかで、子どもたちは「人の役に立ちたい」、「自分がやれることをやらせてほしい」という答えが返ってきました。この次にこの声を受け止めたものを、どう具体的に施策に活かしていくかが課題です。
福岡県の田川市の金川小学校において十年にわたって続けられた取り組みは、子どもたちは就学前で大きな格差があるという現実を解き明かしながら、子どもたちのセルフエスティームを、地域の人との関係をとおして身につけていく、やる気を起こしていくことを丁寧にやっています。この金川小学校で行ってきた調査の方法、アンケートの仕方を沖縄が真摯に学ぶべき時が来ていると思います。しかも金川小学校では最も厳しい状況におかれている子どもたちにどう寄り添うか、この課題に到達しているという報告でした。沖縄でこれから直面する、最も厳しい状況の子どもたちへの関わり方を、金川小学校の実践から学んでいかなければなりません。

福岡県同教との交流の中から生まれたガイドブック、これは高教組の皆さんががんばって素晴らしいものが出来上がりました。このガイドブックを私たちは県教育庁に行って、お渡ししてきました。ガイドブックを小学校から高校まで一つの学校に5冊ずつプレゼントしますと言ったら、統括監をはじめ、みなさん感動してくれまして、すばらしいものを作ってもらいました、これ必ず配りますと言ってくれました。今までなかったことです。こういう関係ができたこと、これは教育委員会も悩んでいてできなかったことができてきた、これからこの関係を大事にして、沖縄が一つになって、きちんと子どもたちを支えていくという活動が始まるという最初の過程を作ってくれたのが高教組の皆さんでした。また、この集まりが基盤となってガイドブックができたわけです。分科会では、このガイドブックは沖縄県全体のものですが、地域の中でこのガイドブックを作ろうとする動きが生まれてきた。自分たちの地域、自分たちの施設のなかで、もっと具体的に、あそこに行けばいいといったことが分かるものを作りましょうということができてきたという報告でした。このように、一つ一つの活動が定着してきている。

2分科会では障害を背負った子どもたち、学生たち、そして卒業してからの対応は、学校だけではできないということが非常に明確になっていたと思います。例えば、ある生徒が学校の中でできなかったことが実習に行ったとき、サッカーが好きだということから話しが始まって、話ができる、自分がやりたいことを言えるようになる、あいさつができるようになる。障害のある人たちは、僕らが途中で飽きてしまうようなことを、しっかりとやり続けることができる、これをみんなが評価すると、これが仕事にもつなげられる。障害のある人たちは、実際に差別を体験している場合があります。障害のある人と地域の人たちが相互の信頼関係を育んでいきながら、つながりをどう作っていくか、ということがキーワードだと思います。本人の願い、悩みを出発点に、学校を開きそしてエンパワメントしていく。最大の課題は学校を開くことです。これがまだできていないと思います。こんなにいじめがひどい状況で凄まじい数ですが、学校はこれまで抑えようとしてきた、ですから学校の何がこのような状況を作り出しているか、今日の川畑さんの話にもありましたが、競わせる、他者と比較させる、これを学校で徹底的にやっているわけですから、いじめはなくならないという状況に追い込まれている。一人ひとりが自己実現をしていく、自分の目標を見つけて生きていくということを、みんながやるような学校にするためにはどうすればいいのか、制度やシステムも含めて、大きな課題にぶつかっているというのが今の状況だと思います。今回、そういった学校の課題も大きく出てきています。沖縄の問題は一つに学校の先生たちが解放されること、それを課題として、この場にもっともっと顔を出していただきたい。そして、この会に参加すると展望が見えてくる。そのことによって教師としての仕事に、改めてやりがいをもって向かうことができるかもしれない。そういう場にこの集まりがなるといいと思います。

この会も6回目を迎えましたが、この間、本当にご尽力いただいた九同教の先生方の努力が本当に沖縄にしみ込んでいると思います。そして、沖縄で地道に活動している方々の取り組みが定着し始めている。来年度に向けてさらに活動の輪を拡げていっていただきたいなあと思います。一緒にがんばっていきましよう。そしてきっとできる、こんな悪い時代がいつまでも続くわけがない、いい時代がくると「思う」のでなく、いい時代に「する」という気持ちでいたいと思います。長い時間ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。



2012年10月23日火曜日

九州・沖縄地区子ども支援ネットワーク交流学習会のお知らせ


とき/2012年11月23日(金・勤労感謝の日)9:30受付 10:00~16:30
ところ/沖縄大学3号館10教室(那覇市国場555)

全体会(10:00~)
基調講演/
「おきなわ子ども支援ガイドブック(改訂版)の取り組みにあたって
沖縄県立南部商業高校 幸地一さん

記念講演/
「沖縄と子ども・若者たちの未来を語る」
(株)沖縄教育出版 代表取締役役員 川畑保夫さん

分科会(13:00~)
第1分科会/
「沖縄市子ども実態調査を読む~今後の施策展開に向けて」
沖縄市子ども施策研究会発起人 鈴木友一郎さん

「おきなわ子ども支援ガイドブック(改訂版)の取り組みにあたって」
沖縄県立南部商業高校 幸地一さん

「子どものことを地域の課題として取り組む~これからの地域文化の創造をめざして~」
福岡県田川市立金川小学校 上野裕一朗さん

第2分科会/
「特別支援学校における地域連携の取り組み」
沖縄県立島尻特別支援学校 照屋紀子さん

「家のためのも就職したい~地域で本人らしく生きていくために」
元佐賀市立伊万里特別支援学校(現白石町立須古小学校)谷川忠光さん

全体会
まとめ「課題の整理と取り組みの方向性について」
沖縄大学学長 加藤彰彦さん

参加費1000円(資料代として)
主 催/九州・沖縄地区子ども支援ネットワーク交流学習会実行委員会 九州地区県同教連絡協議会(九同教)
後 援 /沖縄県 沖縄県教育委員会 沖縄県社会福祉協議会 九州ブロックPTA協議会
九州社会福祉協議会連合会児童養護施設協議会(申請中 )
連絡先 /沖縄子ども研究会 Tel 090-3085-9300(仲渡尚史)Fax 098-832-3222 E-mail okikoken@gmail.com


2012年10月15日月曜日

沖縄の子どもたちの現状とガイドブックの作成について~九協学習会での報告より


 
 2010年に沖縄タイムスが、県内各地の教員241名を対象に実施したアンケート結果を公表しました。それによると、給食以外の食事を十分にとれない子どもがいると答えたのが44.4%、病気やけがでも病院にいけない子どもがいると答えたのが31.1%、夜、子どもだけで過ごしている子がいると答えたのが56%という、結果が報告されました。

 次は県立高校授業料の減免制度利用者の推移を示したグラフです。公立高校の授業料は2010年に無償化されましたが、授業料を免除、あるいは減額された生徒は2004年から2009年の間毎年増え続け、5年間で約1000人近く、減免率で見ると2009年には1割ちかい生徒が授業料減免制度を利用していたことが分かります。

沖縄県高教組も2010年に「子どもの貧困に関する高校生の現状~学校現場で感じること」と題したアンケート調査を行い、高校の教師383名から回答がありました。それによると、校納金を払えない生徒がいるという回答が全体の61%。アルバイト代を家計の足しにしている生徒がいるという回答は、65%。経済的理由で学校を休みがちな生徒が増えたと回答した教師がとても感じる、やや感じる、を合わせて52%、経済的理由で進学を断念する生徒が増えたと感じる教師が78%に上ることが分かります。

保護者や家族の厳しい現実は、校納金が払えないというだけでなく、通学を困難にし、学費の負担が困難なために進学を断念してしまう、など進路にも影響することが懸念されるということがこの調査から分かります。

 小中学校や高等学校の児童生徒がおかれている現状の厳しさの一端がかい間見えるデータです。このような現状は、障がいのある子どもや家族にとっても無縁ではないと思います。もともと受験料や授業料がなく、給食費や修学旅行費といった教育費の負担に対して就学奨励費などの給付があったために、経済的に困窮した状態の家族は学校からは見えにくい存在なのではないでしょうか。

 何らかの理由で、生活の基盤が不安定で、家族機能が低下している状態の保護者の困難さは、経済的に困窮していることだけでなく、社会的に孤立していることが大きく影響しています。困ったときに頼れる知人や親戚がいない、また有用な情報が届かないという孤立無援の状態、そして情報弱者であることが、困窮している家族の状態をさらに厳しくしていると言われています。

支援が必要な親や家族ほど、支援する人や組織と距離を置き、孤立している。支援が必要な家族に関わっていると、そう感じることがあります。私たちがガイドブックを作ったのも、必要な情報が本人や家族に伝わるようにしたいということでした。また、学校だけでは解決することが困難な状況を、役所や福祉に関わる専門機関を保護者に紹介したり、連携して関わっていったりするきっかけにしてほしいことも、ガイドブックの作成に向けた私たちの願いでした。

2010年に最初に作られたガイドブックは、沖縄県高教組の活動として、県立高校や特別支援学校に配布されました。翌年に、私たちは高校の教師を対象にガイドブックの活用事例についてアンケート調査を行いました。アンケートに書かれた活用の事例を紹介します。

 「卒業後の進路を進学と決めていた生徒が進学先に願書を提出後に急に就職するという.話を聞いてみると保護者である父親が失業したとのこと。「生活福祉資金」と「奨学金等」の制度があることを説明する。支援策がいくつかあると知って生徒自身が保護者と相談して進学の道を歩むことができた。生徒個々の状況によって支援できたのもガイドブックのおかげだと思いました。」

「緊急を要する事例はなし。でも生徒に学ぶ権利を保障するための支援がある事やニュースや社会情勢等から「子どもの貧困」が問題になっていることを話しました。そして自分や友達が困った時に思い出して、先生に相談するように伝えました。」

「前年度に父親が他界し、母親の給料が下がった。情報提供は行ったが、行動にまでは移せていない。」

回答数は少なかったものの、高校での活用の一端に触れることができました。

  障がいのある人たちの地域生活を支援する法律の整備や、特別支援教育コーディネータ等教師の努力により、福祉、就労、医療など専門機関と特別支援学校との連携の輪が広がりつつあります。放課後や長期休業期間中の居場所作りや、生徒や保護者が安心して卒業後の生活を迎えられるようにする準備などのために、関係機関とのネットワークと協働作業が行われています。

  これまでは、主に児童生徒に対する支援が主だったのに対し、紹介した事例にもあるように今後は、経済的な困窮や虐待といった、家族が抱えるさまざまな課題に対して、専門機関とともに取り組む場面も増えてくる可能性があります。

学校での子どもの課題の背景には、保護者がゆとりをもって子どもの養育を向かうことを阻む要因がある可能性があります。

 子どもの支援については、その家族を視野にいれて臨む必要があり、保護者の失業、精神疾患、親の介護、生徒の兄弟の不登校など様々な家族の課題に対応する機関とのネットワーク作りが課題になると思います。実際に、このような境遇の児童や生徒に出会い、相談を受けたとき、現在の苦しい状況を少しでも楽にするための一歩を踏み出すためのガイドとして、このガイドブックが活用されることを願います。

2012年10月12日金曜日

おきなわ子ども支援ガイドブックのダウンロード設定完了

出張、もろもろの理由で後回しにしていた仕事をやっと終えました。
ガイドブック2012年版の裏表紙にブログからダウンロードできますと印刷していたのに、今日の今日まで、先延ばしにしてしまいました。

自宅のパソコンでしか確認していないので、どのパソコンからも、
ダウンロードできるのか確認はできないのですが・・・。

ちなみに、我が家のパソコンでもブラウザが違うとダウンロードできないらしいことが判明しました。インターネットエクスプローラーからはできますが、なぜかファイヤーフォックスからはできないのです。原因は分かりません。

2012年6月24日日曜日

僕の仕事は「重症心身障がい」

重度の心身障がいのある方たちの自立を、どうとらえるか考えるとき、
ヒントを与えてくれる文章が地元紙に掲載されていましたので紹介します。
文章を書かれたのは、重症心身障害児入所施設の施設長をされている先生です。

「僕の仕事は『重症心身障がい』」
泉川良範

ぼくのなまえは、「なごりょういく」、30さい。「しごと」は、「じゅうしょうしんしんしょうがい」です。
この「しごと」には、しかくがあって、だれでもなれるものではないです。
「のうせいまひ」と「ちてきしょうがい」のりょうほうがあって、どちらも「じゅうしょう」でないといけないからです。
しごとのきっかけは、うまれたころですがおぼえてないです。ちいさいころから「りはびり」をがんばりました。ちかごろは、ここでくらしています。ここにきたきっかけは、おかあさんがこしをいためて、「かいご」ができなくなったからです。「ごめんね」といっていましたが、こしがなおってからしゅうじをおしえているそうで、ぼくはよかったとおもいます。
それと、ちょうどぼくも、ずっとおやのいえにいるのもどうかなとおもっていたところだったし。ここにきて、としのちかいともだちもできました。てれびでけんかすることもありますが、なかよくしています。
こどものときは、いえにいられてよかったです。たくさんのおもいでができたから、おとなになってからは、こうして「じりつ」できたんだとおもいます。
「いのちとむきあうこと」がしごとで、みなさんはなれていないからむつかしいかもしれませんね。ぼくは、ひととくらべることはできないし、いつもいっしょうけんめいなだけです。
まわりの「しょくいん」もいっしょにべんきょうしています。それがいつかみんなのやくにたつといいなとおもいます。みなさんはじぶんのおべんきょうやしごとをがんばってください。

(名護療育園施設長 小児科医)

特別支援学校分教室の生徒が公式試合に出場

昨日、夏の甲子園沖縄地区予選の試合を観戦。慰霊の日であるため、正午に試合を中断して黙祷する、という沖縄ならではのシチュエーションのなか、特別支援学校の球児が初めて公式戦のグラウンドに立つ、という瞬間に立ち会うことができました。

6月23日、沖縄県の北谷野球場で開催された夏の甲子園大会、沖縄県予選に沖縄高等特別支援学校の分教室に在籍している生徒が分教室のある中部農林高校の野球部の一員として出場しました。

この生徒は、軽度の知的障がいがあり、沖縄高等特別支援学校の中部農林高校分教室に通っている。現在、高等部3年生。1年の頃から中部農林高校野球部に所属し、チームの中では、レギュラーとして試合に出場できる実力をもちながら、高野連の規則上、公式戦ではベンチに入ることすらできませんでした。

特別支援学校の分教室は、在籍している特別支援学校を母体校、分教室を設置している高校を設置校と呼んでいます。中部農林高校は、この生徒にとっては設置校。

分教室の生徒が設置校の野球部員として登録され、公式戦に出るのは初めて。今回、日本高野連が、中部農林高校の生徒とともに日常的に活動している実態があるとして、選手登録を特例で設置校で行うことを認めたことによって、今大会出場への道が開けました。

これまで、公式戦に出られない境遇に屈することなく、ひたむきに練習に取り組んできた生徒個人にとっても忘れられない1日になっただけでなく、全国の特別支援学校にとっても記念すべき1日になりました。

中部農林野球部には、女生徒の部員もおり、ユニフォーム姿で応援していました。ちょうど去年の今頃、別の女性部員が高校球児としては最後の大会、試合には出場できなかったものの、県高野連と両校校長の計らいで始球式のピッチャーとして、公式戦のグラウンドに立ったことが思い出されました。

試合に出られない壁、それでも大好きな野球続けている生徒たち。本人たちの「あきらめない心」「続ける力」のすばらしさはいうまでもなく、中部農林高校の生徒や教師が体現している包容力が、女性部員や分教室の生徒の活動を支えているのではないか、昨年のエピソードと昨日の出来事を重ね合わせて、そう思いました。

2012年6月16日土曜日

戦略会議

まずプレ学習会の日程の変更と学習会の日程の確認。プレ学習会は、9月22日から23日(日曜日)に変更。9月22日は保育問題研究会が沖縄大学であるので、日程をずらしたので両方行けますね。それから、第6回の学習会は11月23日(日曜日)に決定。

9月のプレ学習会は、完成予定の「おきなわ子ども支援ガイドブック2012年度版」の紹介とその活用例を紹介して、このガイドブックで何ができるのか、そして何ができないかを考えていく流れで、学習会を進めていくことになりました。

2012年5月21日月曜日

第2回ガイドブック編集委員会

第2回のガイドブック編集委は、5月29日(火曜日)午後7時より、教育福祉会館の会議室にて行います。9月発行に向けて、原稿のチェックと関係機関へのチェック依頼のための郵送等の準備が主な内容になるはずです。

それから時間があれば、現在のメンバー以外の教諭がガイドブックの編集等をとおして、子どもの支援に係る関係機関の情報や、関わっている生徒たちに対する具体的な支援に関して情報交換や助言を言い合う場作りについて話ができればと思います。

2012年5月13日日曜日

5月12日の戦略会議

今回は、福岡から江碕さん、沖縄は金城に、幸地さん、宜保さん、宮城さん、そして仲渡さんで、プレ学習会と交流学習会本番の日程調整を行う。
 例年、会は日曜日に設定していたが、今回は土曜日に設定することを検討。
候補日として、プレ学習会は9月22日、交流学習会は11月に17日か23日を挙げ、あとは会場を提供していただいている沖縄大学のスケジュールを見ながら決定する予定。
 それから、プレ学習会は、9月に完成予定の2012年度版ガイドブックの周知が中心になります。
交流学習会の持ち方は次回6月16日土曜日の戦略会議で煮詰めていくことになりました。

2012年5月12日土曜日

この春高校を卒業して、まだ就職が決まっていない方へ

この春、就職を希望しながら、高校卒業までに仕事が決まらず、現在も就職していない卒業生の皆さんへ

ハローワークで求職登録をすることにより、下記の支援を受けることができます。アルバイトをしながら就職を備えるより、有利になる可能性が高いので、ハローワークや高校の進路担当の先生まで相談して下さい。

●未就職者向け職業訓練(無料)
訓練期間中に生活費の支給(給付金10万円)を受けながらスキルアップのための職業訓練を受講することができます。

●既卒者トライアル雇用奨励金制度
原則3カ月の有期雇用契約を結び、働きながら必要な技能や知識を身につけるとともに、職場や職種への理解を深め、その後の正規雇用につなげることをねらいとした制度です。

お問い合わせは最寄りのハローワークまで

ハローワーク那覇  098-866-8609
ハローワークプラザ那覇 098-867-8010
ハローワーク沖縄  098-939-3200
ハローワークプラザ沖縄 098-939-8010
ハローワーク名護 0980-52-2810


日本教育公務員弘済会の義援給付金奨学金の受け付け

日本教職員弘済会沖縄支部では、避難しながら県内の学校に転入学している小・中・高・特別支援学校の児童生徒に対し1人5万円の奨学金を給付します。

1 対象者:震災時に岩手県・宮城県・福島県に在住していた方で、避難生活をしながら県内の学校に転入学している小・中・高・特別支援学校の児童生徒。

2 給付金額:児童生徒1名につき5万円

3 手続き方法:学校にある義援給付金申請書に必要事項を記入の上、沖縄支部に提出して下さい。

4 申請期限:平成24年5月31日(木)厳守

5 提出・連絡先
〒900-0014
沖縄県那覇市松尾1丁目7番12号
公益財団法人 日本教育公務員弘済会 沖縄支部
℡:098-867-1765 fax:098-869-3544
担当:前泊・渡嘉敷

2012年4月18日水曜日

那覇市発達支援モデル事業

NPO法人わくわくの会「さぽーとせんたーi  」では、指示が通りにくい(育てにくい)特性をもった子どもに関わる保護者、教師からの相談を受け、発達支援専門員を派遣し、子どもの支援について一緒に考えてくれます。

また関係機関との調整や、保護者対象のペアレントトレーニング、支援者対象のティーチャーズトレーニング、当事者対象のソーシャルスキルトレーニングなどのプログラムや家族会等の情報提供など多面的な支援も行っているそうです。

これは那覇市が行っている発達支援モデル事業で、那覇市在住の子どもや市内の保育園や学校では、これらの支援を無料で利用することが出来るようです。

相談、お問い合わせ先は NPO法人わくわくの会「さぽーとせんたーi  」098-861-1187です。

2012年4月13日金曜日

ハローワーク内「マザーズサロン」「マザーズコーナー」

子ども連れでも安心して仕事の相談ができる「マザーズハローワーク」「マザーズサロン」「マザーズコーナー」があるって!!

子ども連れでも仕事探しができるところ。
育児と家庭と両立できる仕事を探したい。
現在は子育て中だが、いずれ仕事を始めるために、今のうちから情報を集めておきたい。
出産・育児で退職したが、そろそろ再就職したい。
子育てしながら働くためにどんな準備が必要か知りたい。

といった人たちのために
ハローワーク那覇マザーズサロン、
ハローワーク沖縄マザーズコーナーでは

保育所などの子育て支援に関する情報を提供
ベビーカー同伴でも気軽に利用できるスペースの確保に努め
担当者制でじっくり相談ができる
子育てと両立しやすい仕事を紹介
再就職に必要なセミナーの開催

などを通して、子育てをしながら働きたいというパパ・ママを支援しているそうです。
マザーズハローワークは全国12カ所、マザーズサロン36カ所、マザーズコーナーは119カ所設置されているそうです。(平成23年7月19日現在)

ハローワーク那覇マザーズサロン 那覇市おもろまち3-3-1、コープあっぷるたうん3階
電話:867-8010

ハローワーク沖縄マザーズコーナー 沖縄市中央2-28-1、コリンザ3階
電話:939-8010

2012年4月10日火曜日

女性の資格取得のための支援~沖縄県労政・女性就業センター

沖縄子ども支援ガイドブックを編集しながら、ネットを検索していて沖縄に労政・女性就業センターというものが存在していることを今日初めて知りました。
ガイドブックに載せなくっちゃ。その前にまず、労政・女性就業センターとは。

沖縄県労政・女性就業センターでは、就職を希望する女性に対して、就業に関する相談および就業に必要な技術講習を無料※で行っています。※教材費、検定料等は自己負担です。

①応募資格
●講習の全日程に出席できる方。
●就職を希望する女性で資格を活かした職に就きたい方。
●現在仕事に就いていない方(学生、新卒、妊婦の方は受講できません)。

②技術講習のコース
●日商簿記3級
●日商簿記2級
●調剤事務
●ワードエクセル2級
●医療事務(医科)
●   〃 (歯科)

③申し込み方法
●受付期間内に本人が、労政・女性就業センターまたは沖縄相談所にて受付してください。
●受付時間:午前9時から11時30分、午後1時から4時

④受講者の決め方
●受付期間後、申込者全員に筆記試験と面接を行います。合否については、合格した方のみはがきで通知します。

⑤お問い合わせ先
労政・女性就業センター:那覇市西3丁目11番1号(沖縄県三重城合同庁舎5階)863-1788
沖縄相談所:沖縄市中央2丁目28番地1号(コリンザ2階)934-6607

センターには託児所がないので、乳幼児を育てている一人家庭の母親が利用するのは容易ではないようです。センターが発行しているパンフレットには、「そのほか、様々な就業相談~など、必要としている情報提供等を行っています。」という記述もありますので、相談支援も担っているのではないかという期待もありますが、前述のケースの場合は、相談支援を行う他の機関との連携により、資格取得の道を拓く取り組みが必要です。

2012年4月1日日曜日

児童扶養手当、特別児童扶養手当の手当額の改定~那覇市

前年の全国消費者物価指数の変動に応じて手当額が改定する、児童扶養手当と特別児童扶養手当の手当額の額が、那覇市の広報誌に掲載されています。

児童扶養手当の月額は
全部支給は、41,550円が41,430円に
一部支給は、41,540円~9,810円が41,420円~9,780円に

特別児童扶養手当の月額は
1級該当児童は、50,550円が50,400円に
2級該当児童は、33,670円が33,570円に
8月10日支給分から変更します。
なお4月10日支給分は従来の通りです。

詳しくは、各地域の児童家庭課等担当窓口へお問い合わせください。

2012年3月31日土曜日

平成24年度就学援助の申請について~那覇市

経済的理由によって就学が困難と認められる小中学生の保護者に対し、学用品や給食費などの一部を援助する就学援助の申請の案内が、那覇市の市民広報誌で紹介されています。

対象となる保護者は、生活保護を受けている方やそれに準ずる状態と認められる方です。

申請は随時受付ですが、4月から援助が必要な方の締め切りは4月27日です。
詳しくは、教育委員会の学務課 891-3505にお問い合わせください。

高等学校における特別支援教室=リソースルームの設置

平成24年度からの県立学校編成整備計画に盛り込まれた、北谷高校に発達障害等に起因する不登校の生徒の学び直しの学校「フューチャースクール」を設置するという構想は、設置する高校を中部地区のいずれかの学校とするという方向で修正され、収束に向かった感があります。

 新聞の報道でも、なぜ北谷高校なのか、なぜ一校に生徒を集めるのかなどといった関係者の疑問が取り上げられていました。すべての学校で発達障害による学習や生活上の困難を抱えている生徒の支援を行うという特別支援教育の理念からすれば、このフューチャースクール構想は、その流れに逆行するかのような印象を与えると同時に、特別支援学校を彷彿とさせるものがあります。

しかし
 県も何らかのアクションを起こさなければならない状況があるからこそ、「フューチャースクール」構想を打ち出さざるを得なかったのであり、発達障害等に起因する不登校等の状態にある生徒の支援は、まったなしの状態であることに変わりはありません。また、今後、設置校に指定された学校が、すんなり設置を受け入れるという保障もありません。高校における発達障害のある生徒への特別支援教育については、関係機関や医療に携わる人たちも巻き込んで議論をしていかなければならない課題です。

さて
 小中学校においては、発達障害等の児童生徒に対し、必要に応じて特別支援学級担当が学級担任と連携し、協力して支援を行っている例があります。
それに対し、高校では、あくまで学級担任や教科担任、あるいは、これに教育相談担当やスクールカウンセラーを含めた協力体制のもと限られた人たちのマンパワーで支援を行っているのが現状です。

 特別支援学級を高等学校に設置することは、法令上は不可能ではありません。しかし、私の知る限りでは国内で高校に特別支援学級を設置している例はありません。しかし高校に特別支援学級を設置するのは困難でも、特別支援教育を担う人を増やす方法は考えられないでしょうか。

 近年、身体障害のある生徒が入学した高校に対し、県は非常勤職員の加配を行って、その支援の充実に努めています。このような特別な配慮を必要とする生徒の支援を行うために高校に手厚い人的配置を進める上でのヒントとしてかつて「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」が提起した「特別支援教室」をもとに考えてみたいとおもいます。

 「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」が平成15年3月にとりまとめた「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」(以下、「協力者会議最終報告」という。)では、小中学校における特別支援教育の体制の充実を図るために、現在の特殊学級のあり方を見直し、特別支援教室の設置について提言をしています。

 「特別支援教室」のイメージについて最終報告では、以下のように述べられています。
「・・・LD・ADHD・高機能自閉症等を含め、障害のある児童生徒が、原則として通常の学級に在籍し、教員の適切な配慮、ティーム・ティーチング、個別指導や学習内容の習熟に応じた指導などの工夫により通常の学級において教育を受けつつ、必要な時間に特別の指導を受ける教室として、例えば以下のような形態が想定される。・・・」

 特別支援学級が、児童生徒がそこに籍をおく「学級」であるのに対し、特別支援教室は、通常の学級に籍をおく児童生徒が、必要に応じて学ぶ場と時間を提供する「教室」であるという点で違いがあります。

 報告書では、大まかに3つの形態を想定しています。
①ほとんどの時間を特別支援教室で特別の指導を受ける形態。
比較的多くの時間を通常の学級で指導を受けつつ、障害の状態に応じ、相当程度の時間を特別支援教室で特別の指導を受ける形態。
一部の時間のみ特別支援教室で特別の指導を受ける形態。

 最終報告はあくまで、小中学校を想定したものでした。またその設置も結果として見送られ、実現することはありませんでした。しかし、その理念は、大きな可能性を秘めていると思います。

 特別支援教室は、障害のある生徒を少人数で指導をすることによって、生徒の学習を支援する場所という機能を持たせます。また学級担任と協調して、不登校から退学への坂道を転げ落ちていく生徒にとってのセーフティーネットとしての機能も果たすことができるでしょう。

 少子化による定員の減少で空いた教室を用い、複数の専任の教室担当を置き、教科指導の時間は当面、非常勤教諭の配置または、一部の進学塾が行っているビデオを視聴しながら学習するシステムを導入した授業形態などによって、個々の生徒の学習の進度に合わせた対応を行う、などが考えられるでしょう。

 また、「特別支援教室」という名称は用いず「リソースルーム」などの名称で、発達障害に限らず学習が遅れがちな生徒の学びの場として、すべての生徒を対象とした「部屋」を前提として位置付けることで、生徒が利用しやすい雰囲気にすることも必要でしょう。
こういった「部屋」と「教師」を、学校に配置することによって、高等学校における特別支援教育の充実にいたる道が開けていくのではないでしょうか。

2012年3月25日日曜日

高校生の就労支援~軽度の知的障がい等のある生徒の就労支援~

軽度の知的障がいのある生徒を対象とした、沖縄高等特別支援学校の今年の志願倍率は1.8倍でした。ここ数年の志願倍率は1.5倍前後で推移しており、軽度の知的障がいのある生徒の教育の受け皿の拡充が求められる中、県教育庁も平成24年度から始まる特別支援学校の編成整備計画の中で、軽度の知的障がいのある生徒を受け入れる新たな分校、分教室の設置を計画に盛り込んでいます。

先日、障害者就業・生活支援センターに勤める相談支援員との会話の中で、この相談支援員が高校の進路担当者から障がいのある高校生の就労支援について相談を受けたことを知りました。

県内の高校にも療育手帳を所持している生徒が在籍している可能性があります。また発達障がいの診断を受け、対人関係やコミュニケーションで日々苦戦している生徒も在籍しています。
学習や生活上の困難がある生徒の場合、日々の学校生活のなかでの学習や対人関係に対する支援や配慮と同時に、卒業後の進路にもその生徒の教育的ニーズに応じた支援が必要となります。

さて、特別支援学校では、高等部の3学年に進学すると卒業までに年に数回、2週間程度の産業現場等における実習を体験します。これは生徒にとってキャリア形成の大切なステップであると同時に、障がいのある生徒を雇用したいと考えている企業にとっては、生徒が就職に必要な能力を有しているか判断する機会となります。

実習を経て、就職が内定した場合は、トライアル雇用や職場適応訓練などと呼ばれる助成制度の活用と、障害者就業・生活支援センターと呼ばれる相談支援の機関などを紹介し、本人の職場適応を支える環境づくりを関係機関と進めていきます。

また、就職する力がまだ備わっていないという評価を受けて、卒業後直接就職には結びつかなかった場合にも、就労移行支援事業を行う福祉施設を紹介し、就職のための態度や技能を身につけ再チャレンジする道筋を作ります。

例えば、療育手帳をもっている高校生が、就職を希望しているのにもかかわらず、卒業までに就職のめどが立たない場合、あるいは発達障がいのある高校生が行動やコミュニケーションに課題があり就職するためには、その課題と折り合いをつける手立てが必要な場合、前述の就労移行支援事業は、高校卒業後の本人の就職をサポートする有効な手立てを提供してくれるでしょう。

高校生の進学、就職に対応するスキルをもつ高校の進路担当の教諭が、障がいのある生徒の就労支援についても一定のノウハウがあれば、軽度の知的障がいや発達障がいがある生徒の就職に大いに役立つと思います。

特別支援学校の進路担当教諭は、沖縄県特別支援学校進路指導研究会、通称「沖特進研」に定期的に参加し、研修と情報交換を行っています。これに高校の進路担当もしくは特別支援教育コーディネーターが参加し、就労支援が必要な生徒に対する対応について情報交換や研修を積んではどうかと思います。そうすれば障がいのある生徒はもとより、その保護者にとって、どれくらい心強いことかは言うに及びません。

平成19年に特殊教育から特別支援教育に転換し、障がいのある子どもの教育が場に限定されず、各々の教育的ニーズに応じて提供されることへ移行したことをからしても、高校と「沖特進研」との連携を考えてもいい時期なのではないかと思います。

2012年3月10日土曜日

生命保険協会 介護福祉士養成奨学金制度

生命保険協会では、平成元年より介護福祉士を目指す学生への支援として下記のような事業を行っています。

①対象:厚生労働省指定の介護福祉士養成施設(専門学校・短期大学)に在学する学生

②募集方法:全国各地に所在する厚生労働省指定介護福祉士養成コースのある専門学校・短期大学117校に奨学生の推薦を依頼(1校2年生1名(ただし、1年課程の学校は1年制))、各学校長の推薦に基づき当協会の選考委員会で決定

③支給額:月額20,000円(給付制)

④支給期間:1年

⑤お問い合わせは:沖縄県生命保険協会(862-1771)

2012年度予算に見る沖縄県の子育て支援

県は2012年度の福祉保健部重点施策として待機児童対策や放課後児童クラブ支援事業などを盛り込んでいます。

小学校就学前までだった入院費無料化を中学校卒業までにする子ども医療助成事業を今年度10月から実施します。

また保育園の認可化移行を促進する支援策として5億4797万円を計上しています。

放課後児童クラブについては、公的施設への移行を予定している10の施設に月額5万円以内の家賃補助を行うものとして6528万円を計上しています。

2012年3月3日土曜日

離島から進学する生徒たちと保護者の負担

沖縄では、県立高校がある久米島、宮古島、石垣島を除く、離島の出身の子どもたちは、島にある中学校を卒業した後、その多くは沖縄本島にある高等学校に進学します。

県立学校教育課が2011年5月現在の状況を調査した結果、 598名の生徒が離島の中学から沖縄本島の高校に進学していることが分かりました。

このうち、アパートで独り暮らしをしている生徒は76名、兄弟とアパートで暮らす生徒も207名おり、約5割が賃貸住宅を利用しており、1ヶ月の必要経費が約81,000円に上ることが分かりました。

居住形態は、ほかに「親戚・知人の家」87人、「兄弟の家」が10人 、「寄宿舎など」が155人となっており、1ヶ月の必要経費は43,000円とアパートなどで暮らす生徒に比べ約半額の負担で済んでいます。

必要経費には携帯電話代、食費、小遣いは入っておらず、実際の必要経費はさらに膨らむことが予想されます。

県では一括交付金を利用して離島・へき地出身の高校生のための複合施設「離島児童・生徒支援センター(仮称)」の建設を計画しているそうです。

2重世帯になることで、離島出身の高校生をもつ世帯の経済的負担は大きいことは予想されました。また保護者が身近にいないことで生活のリズムが不規則になるなど、学業にも影響がでてくることが予想されます。
今回、地元紙の沖縄タイムス社の連載記事がきっかけになって、具体的な状況の一端が把握されたことで、県民の関心が集まりました。
離島出身の子どもたちへの支援への第一歩が遅まきながら始まることを期待したいです。

2012年2月2日木曜日

「子どもの未来を守る~子どもの貧困・社会排除問題への荒川区の取り組み~」について

子ども手当、高校授業料の無償化など、子育てに対する国レベルの施策が、ようやく始まったばかりにも関わらず、財源問題にすり替えられて先が見えない状態が続いています。
そんななかで、沖縄でも宜野湾市の生活保護世帯の児童への学習援助など、自治体単位での子どもの貧困に対する取り組みが進められています。

子ども支援ネットワーク交流学習会でも、前述の宜野湾市の保護課の取り組みや要保護児童対策連絡協議会を実働させる取り組みなど、沖縄や九州各県の自治体各課の取り組みが紹介されました。しかし、一つの県、あるいは市町村の首長が、子どもの貧困の問題を自治体が直面してる喫緊の課題であることを、市民や県民に声高に訴え、重点的に施策として進めているという例を私は知りません。

本書は、荒川区という自治体が、首長のリーダーシップのもとに全体で、子どもの貧困と社会排除の問題に取り組んだことを紹介しています。

荒川区では、子どもの不幸の要因の一つである子どもの貧困・社会排除問題の解消を、優先的に取り組むべき課題の一つとして位置付け、平成21年にまず現状を把握する手段として、区長を委員長とし関連部長で構成した「子どもの貧困問題検討委員会」を 庁内に設置し、その下に関連部署の課長からなる作業部会を設置して、区内の現状の調査研究を開始しました。

区による実態把握は、以下のように進められました。

委員会では、荒川区や都道府県の生活保護率や就学援助率など、子どもの貧困についての全体像を示すデーターや資料を収集しました。
さらに区内の保育園、幼稚園、小中学校、学童クラブ、子ども家庭支援センターなどに対し、子どもの貧困や社会排除状態にあると思われるケースについて聞き取り調査を行い実態や原因の調査を行い、既存の施策がこれらの問題の解決にどれだけ寄与しているかについて、各部署を通じた検証を行いました。

 数値による実態の客観的は把握だけでなく、子どもや家族のケースを調査しています。

 さらに「荒川区自治総合研究所」を設立し、その中に専門家で構成された「子どもの貧困・社会排除問題に関する研究会」と「子どもの貧困・社会排除問題に関するワーキングチーム」を設置して、調査研究に本格的に取り組んでいきました。

研究所では平成22年に中間報告をまとめ、それを受け、まず「スクールソーシャルワーカー」の配置、次に外国人児童生徒に対する日本語指導などの支援、「子ども家庭支援センター」の相談機能の充実などの施策を始めます。

中間報告後、区は研究会の構成に現場担当を増員するなど組織の強化を図り、新たに「子どもの貧困・社会排除問題対策本部会」など、研究体制の充実を矢継ぎ早に行っています。
それにより、収集したケースについての分析を深め、子どもが貧困や社会排除の状態に陥る「リスク」と「決定因子」があることを導き出し、最終報告のなかで、区の今後の方向性「あらかわシステム」について提言を行いました。

あらかわシステムとは、子どもの貧困や社会排除のリスクをもつ世帯、あるいは子どもの貧困・社会排除の状態に陥った世帯の発するサインを発見し、その状態の解消、あるいは回避へ導くための区の体制を意味します。
それは、子どもの貧困や社会排除の状態にある世帯を、既存の施策にあてはめるだけではなく、実態の把握と分析の上に立って、施策や行政、地域の資源とを連携させることで、個々の世帯の状況に適応させていくことを目指す行政のシステムの在り方として、他の自治体のモデルとなるものではないでしょうか。

2012年1月29日日曜日

卒業アルバムがもらえない!!

年度末を迎えて、学校では
卒業予定の生徒たちのなかで、教材費等を滞納しているケースについて
頭を悩ませる時期になっているようです。
中には15万円近くも滞納してる場合があり、
卒業時期が間近な場合は、
分割返納もハードルが高くなります。

「卒業アルバムをもらえない!!」もこのようなケースの一例で、
過去には、8000円前後のアルバム代を納めていないために、
思い出が詰まった卒業アルバムを手にできない生徒が事務室で泣き崩れる、
という場面も起こっているようです。

滞納している保護者のなかには、
離職や病気等で、ギリギリの生活をしているケースもあり
払いたくても払えない状況にある、といいます。

どうしてもっと早く、家庭の状況が分からなかったのか
と考えますが、
返納の延期を申し出る保護者については
「払えます」と答えるために、
担任も一歩踏み出して家庭の状況を把握する、というところまで至らないようです。

繰り返されるこのような事例に対しては
対策をとっている学校もあるようです。

この状況を教えてくれた学校職員は
3学年に進級した時点で
教材費を滞納している生徒については
1学期中に、家庭の状況を把握し
支援が必要なケースについては、管理者を交えて対策のための話し合いを行い
生活保護の申請等の具体的な取り組みを2学期中に済ませ、
給付等が始まった時点から分割返納を始める
という風に、卒業というタイムリミットに対応できるように
準備をする必要があると語っていました。

高校時代の思い出を大切に心にしまって
進学あるいは社会に巣立っていく
沖縄の子どもたちのために
私たち大人ができることはなにか
ということが問われています。

子ども支援ネットワーク交流学習会戦略会議


 平成24128日(土曜日)沖縄大学で子ども支援ネットワーク交流学習会戦略会議
おこないました。以下は会議の概要です。

1 経過報告
(1)  助成金の申請
    宇流真福祉基金助成申請提出
②今後の助成金の申請について
 

(2)  編集作業の経過
    関係団体からの指摘等による追加情報
フードバンク、がじゅまるの家、障がい児保育、など
    東日本大震災に係る避難者への情報について

(3)  大学生・高校生版の取り組み

2 ガイドブックについて
(1)  高等学校・特別支援学校配布後の課題
    高等学校・特別支援学校における活用・周知の現状について
    その他
    課題解決のための方法について

(2)  2012年度版の作成について
    編集作業の進め方
    配布の範囲や方法について

(3)  九協学習会沖縄大会の取り組み

3 その他・情報交換
(1)  地域と学校との連携に係る取組

(2)  高等学校・特別支援学校での実践の情報収集

その他、2012年の交流学習会のあり方についても話し合われました。

2012年1月2日月曜日

あけましておめでとうございます。

年明けの沖縄は、天気もよく、暖かな日が続いています。
2012年は、ガイドブックの発行をはじめ、新たなネットワークと仲間づくりに取り組んでいきたいです。