2011年11月24日木曜日

ユイマールの再生

少し前、AC(日本公共広告機構)の地域キャンペーンに、沖縄の子どもたちの孤食が全国平均の2倍という現状が取り上げられ「一番の栄養は家族です。」というメッセージがテレビを通じて伝えられた。

コマーシャルや沖縄びいきの芸能人から発信される「常夏の島、癒しの島、ユイマールの島」というイメージとは裏腹に、見守る人もなく、今夜も一人ぼっちで食事をする沖縄の子どもたちがいる。
「ユイマールてものは、もうほとんど存在しないんです。」と子どもの育ちに関わる人たちの学習会で、沖縄の現状を憂い、訴える人がいた。

先日、学校にスクールソーシャルワーカーを招いて、学校と関係機関との連携に関する研修会があった。
「私の仕事は、ちょっと無理がお願いできる友だちを作ることなんです。」とスクールソーシャルワーカーの仕事について語った講師の言葉が印象的だった。知り合いの子どものことがちょっと気になる大人が、友だちに相談し子どもの状況を吟味し、何か手助けが必要となれば、今自分たちにできることや、さらに相談できる人を考え始める。

それは、沖縄流にいえばまさしく「ユイマール」を再生することなのではないだろうか。

かつてのユイマールの主役であった地縁でも血縁でもない人たちが、結ばれていく。

子どもに身近な存在である学校と地域の関係機関の人たちが、気になる子どもや家族を囲んで
出会い、それぞれが今できることを考え、役割を分かち合い、一歩前に踏み出す。

スクールソーシャルワーカーや、特別支援教育コーディネーターが目指すネットワークづくりは
考え方の根っこに子育てを地域全体で担うという 発想があるところに今日的な意義があるのあるのだと思った。